[北部九州篇] 福岡県の豊前松山城に行ってきた。


北九州市の実家に帰っていて、家内が仕事のため0歳次男と共に先に東京に戻るので、新北九州空港に車で送ったのですが、とても快晴で日が沈むまでまだ時間があったので、以前からずっと行きたかった豊前松山城に登ってみることにしました。

豊前松山城は本州の毛利氏と九州の大友氏が北九州の覇権を巡って門司城で激闘を繰り広げていた時に、同時に激しい攻防戦となっていた要衝で、海上の新北九州空港に渡るすぐ手前にある小山の上にあります。新北九州空港は帰省でよく使うのに、いつも雨が降ってたり時間がなかったりで、すぐ目の前にありながらなかなか登る機会がなかったのです。

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以前はこの松山城は地元の人でもあまり知られておらず、どこから登るのかも分からないほど荒れていたそうですが、昨年にNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』が放送されたことで、黒田如水(黒田官兵衛)ゆかりの城ということで登山口や登山道の整備が進み、登りやすくなったんだそうです。

現在は新北九州空港に行く道路の途中にも「松山城跡下」という交差点ができました。この写真のように「松山城登山口」というバス停があり、その先の左の道を少し入っていくと、数台が停められる駐車場が整備されています。以前は駐車場がなかったのでどこに停めさせてもらうかが大変だったようですが、車で行っても安心ですね。

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登山口には、登山者用に竹で作った杖が用意されています。私は手を空ける主義なので以前はこういう杖は必要なかったのですが、最近はかなり重宝するようになりました。それはなぜかと言うと……。

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子どもが武器を持った感覚で喜んで登ってくれるからです。この日、なぜか母親と東京に帰らず九州に残った4歳長男ですが、普段はすぐグズるのに、杖を持つと自分から率先して登っていきます。子どもが付いてくる時は杖の存在はかなりありがたいです。

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松山城のある小山は標高128mで、比較的登りやすいルートで頂上へも30分たらずで着いてしまうのですが、唯一この辺りが急な階段になっています。ただ、ここだけが日なたになるほど視界が開けていて、景色もなかなか格別です。

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松山城の土塁跡。本丸周辺はこのようにいろいろな遺構が残っています。

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山頂が見えてきました。

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豊前松山城の頂上に到着。周防灘を見渡せます。海上に横一文字に見えている陸地が、新北九州空港です。

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松山城頂上から小倉南区側を見た風景。大友軍との激闘に勝利して松山城に入った毛利軍の総大将・小早川隆景(毛利元就の三男)は、この松山城を「豊前国中を見渡せて豊前の中で最も堅固な城」と評価しています。その後、豊臣秀吉の九州征伐に先行して九州入りした黒田官兵衛によって大幅に改築された松山城。地元にこんな名城と名勝があることを、恥ずかしながらこの歳になって初めて知りました。


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