[多摩篇] 日野宿場町を歩いてみた。


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日野宿本陣から日野駅方面に向かって歩いて3分ほどの場所にある、八坂神社。日野本陣の佐藤道場で稽古に励んでいた天然理心流の門下生たちによって、安政5年(1858年)に大小二本の木刀と共に額が奉納されています。

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八坂神社の鳥居横に、天然理心流奉納額の説明板があります。

日野や八王子など多摩地方で広く習われていた天然理心流ですが、額には三代目宗家の近藤周助の後に、同心の井上松五郎(新選組六番隊組長・井上源三郎の兄)や日野名主の佐藤彦五郎ら日野の門下生23名、そして江戸試衛館から指導に来ていた沖田惣次郎(後の一番隊組長・沖田総司)、嶋崎勇(後の局長・近藤勇)の名が刻まれています。ちなみに土方歳三はここには名前がありませんが、正式な入門が翌年だったからだとか。

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八坂神社から2分ほど歩いた場所にある、浄土宗知恩院派三鷲山大昌寺。日野に宿場町ができた際に、日野の人々の懇願によって招かれた八王子の大善寺の開祖・讃栄牛秀によって建立された寺。この大昌寺の梵鐘の音が、日野宿の時計代わりになっていたとか。

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大昌寺の墓所には、新選組を援助し続けた日野名主・佐藤彦五郎、そしてその妻で土方歳三の姉でもある佐藤のぶなど、日野にゆかりのある人が数多く眠っています。

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大昌寺から日野用水に沿って東に5分ほど歩くと、佐藤彦五郎新選組資料館が左手に現れます。日野宿本陣の裏手になり、佐藤家の子孫が運営されている施設資料館なので第1・第3日曜日の昼のみの開館。

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大昌寺から中央自動車道を越えて10分ほど歩いた場所にある、日野市立新選組のふるさと歴史館。新選組の資料を数多く常設してあり、新選組や日野宿のことをよく知ることができる施設です。その企画展示量はなかなか圧巻でした。

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昭和後期に日野宿本陣の屋敷を利用していた蕎麦処「日野館」は現在、日野市役所の近くに移転しています。この日は残念ながら休店日でした。

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日野市役所前にある日野中央公園には、奈良時代末から平安時代初期にかけての住居を復原したものが建っています。実際に日野中央公園の市庁舎側入口付近で発見されたものだそうです。

 

というわけで、新選組のふるさとである日野宿をいろいろと回ったのですが、おかげで現在『ビジネス発想源 Special』で連載中の「歴史発想源/武心の源流・幕末日野篇」の良い取材となりました。「武心の源流・幕末日野篇」は今週ついに最終回を迎えます。お楽しみに!


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