[イタリア篇] サヴィニャーノ・スル・ルビコーネに行ってきた。


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サンマリノ共和国を出発して再びイタリアに入り、マレッキア川を超えてサンタンドレア、カノーニカと田舎道を通過しながら北へ上ること約45分。ついに、今回のイタリア旅行の大きな目的地の一つであった場所に到着しました!

ん、ただの田舎の石の橋みたいな場所にしか見えませんよね……。

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その橋の上から見た川。この小さな川の名前は、ルビコン川!

そう、ローマ帝国建国前に、ガリア遠征を終えた英雄カエサル(ジュリアス・シーザー)が、「賽(さい)は投げられた!」と言って祖国ローマに攻め入ったとされる、あのルビコン川です。テレビ東京で『ルビコンの決断』という番組名になっていたように、一世一代の決断をすることを「ルビコンを渡る」と言いますが、語源はこの川にあります。

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そしてそこに架かる橋の袂には、そのカエサルの銅像が建っています。カッコいい。

かつて手塚治虫が監修した全15巻の漫画『世界の歴史』の第3巻『大いなる理想 〜ギリシャとローマ〜』で、第1章の最初のシーンがまさに、この将軍シーザーが「サイは投げられた! いざローマに進撃を!」と号令してルビコン川を渡るシーンなのですが、ルビコン川を訪れるのはこれを読んだ小学生の頃からの夢でした。念願叶った!

20150310_045橋を見ると、確かに川のマークとともにRubicone(ルビコーネ)と書かれており、ここからはGALLIA(ガリア)、手前がROMA(ローマ)と書かれてありますね(ROMAに引かれている斜め黒線は「ここまでROMA」という意味)。つまりカエサル軍は、この写真でいうと向こう側からこちらに向かって、意を決してルビコン川を渡ったことになります。

ちなみにこの標識にある通り、この橋は一方通行なので、車で渡る方は向こうの西側から来るようにしましょう。

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橋のすぐ北側からは、橋の下に降りることができます。川の深さはどれぐらいか分からないのですが、えいっと飛んでギリギリ飛び移れないぐらいの幅かな……。でも湿地なのでチャレンジはやめたほうがいいでしょう。

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橋の東側のたもとに、このようにカエサル像が建っています。

ルビコン川の正しい場所については諸説あって今も論争中なのですが、かつて第二次世界大戦中の独裁者として有名なムッソリーニ首相が「この川こそルビコン川である」と定義して川の名前もフィウミチーノ川をルビコーネ川と定め、市の名前もサビニャーノ・スル・ルビコーネ(ルビコン川のほとりのサビニャーノ)と改名したのだとか。このカエサルの銅像は、地元の有志たちの建造によるもの。

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橋の上から南側に見たルビコン川。

小学校の時に読んだ漫画『世界の歴史』のルビコン川を渡るシーンでは、ルビコン川が騎馬のくるぶしほどの浅い感じで描かれていて、「決断するような川ならもっと深い川に描けばいいのに」と当時思ったものですが、現実どおりだったんだなあ。こんな小さい川だとは。

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個人的な興味で来た場所で、家内などは「興味がない」と車に残っていたので一人で散策したのですが、そう言えばその『世界の歴史』をスキャンしてiPadに入れているのを後で思い出したのでそのシーンを見せると、「こんな有名な川なら見ておけばよかった」と激しく後悔していました。

というわけで、カエサルの偉業にたっぷり想いを馳せてルビコン川を見たので、さらに車で北へと進んでいきます。次の目的地は……


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