地方の魅力を世界に広げる戦略、『私がくまモンの上司です』


今週の『ビジネス発想源』で取り上げた本は、
熊本の農協職員からハーバード大学、そして東京大学の教授となった後に政治家に転身した
異色の経歴の持ち主である蒲島郁夫熊本県知事の著作『私がくまモンの上司です』。
いまや経済効果は軽く1,000億円以上を超えるというキャラクター・くまモンが、
どのように作られ、どのようにPRされ、どのようにマーケティングを行なっているか、
という戦略を、評論家ではなく知事自らの言葉で説明されています。
今後の地域活性化のヒントが、多数見つかるのではないでしょうか。
個人的には、くまモンが初めてハーバード大学に登壇した時のエピソードが印象的です。
ハーバードのエリート学生たちに好意的に受け入れられる半面、
著作権使用料無料という楽市楽座的なくまモンのブランド戦略が理解されない、
といった日米の意識の違いがよく分かります。ということは、
アメリカ方式ではきっとくまモンのようなキャラクターは生まれなかったんだろうなあ。
でも、くまモンのように日本の一地方や一個人が作るコンテンツやキャラクターが、
世界に受け入れられる可能性は十分にあるなあ、と感じます。


『私がくまモンの上司です』(蒲島郁夫氏著/祥伝社)


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