[鹿児島篇] 鍛治屋町に行ってきた。


鹿児島県と言えば、明治維新を牽引した薩摩藩であり、多くの偉人を輩出した土地。
中でも、鹿児島市の鹿児島中央駅に近い鍛治屋町の一帯は、
薩摩藩主の住む鶴丸城から離れており下級武士が多く住む居住地でしたが、
ここから西郷隆盛や大久保利通をはじめ国家を担う多くの政治家や軍人が生まれ育ち、
日本国内を探してもこんな数百mの範囲内に偉人の出身地が密集しているところはないでしょう。
ということで、この偉人の誕生地をまとめて訪れることにしてみました。


まずは甲突川の南岸の高麗町の一画にひっそりと建つ、大久保利通誕生之地の碑。

西郷隆盛、木戸孝允と並んで明治維新の三傑に数えられる名政治家の大久保利通。
大久保利通と言えばNHK大河ドラマ『飛ぶが如く』の鹿賀丈史が思いっきりハマり役でしたが、
個人的には『篤姫』の時の原田泰造もかなり印象深いです。


大久保利通誕生地の横の民家にひっそりと建っているのが、井上良馨(よしか)誕生地。

西南戦争、日清戦争、日露戦争と数々の戦争で功を成した海軍の将で、元帥にまで昇進しました。
ちなみに井上良馨誕生地の碑は県立中央高等学校の横にも建っていて、
なぜ2ヵ所あるのかは不明ですが、どちらもそれほど離れていません。

高麗町から高麗橋で甲突川を渡り、維新ふるさと館のすぐそばにある西郷隆盛誕生地。
同じ円形の中の、西郷隆盛誕生之地の大きな石碑の右側に細い小さな石碑がありますが、
これは海軍元帥の称号を受けた西郷従道の誕生の地を表わす石碑。
明治を駆け抜けた西郷隆盛・従道の兄弟はこの場所で生まれ育ったんですね。


県立中央高校の周囲には偉人誕生地が密集しています。これは村田新八の誕生地の碑。

村田新八は西郷隆盛に心酔し、岩倉具視使節団に加わって外国を外遊したものの、
征韓論に敗れた西郷隆盛を追って薩摩に帰郷し、西南戦争で西郷隆盛と共に自刃した人物。
個人的にはずっと、的場浩司のイメージがあったのですが、
的場浩司が『篤姫』で演じていた有馬新七と間違ってました。いかん。


同じく県立中央高校の敷地沿いにある、東郷平八郎の誕生地の碑。

日露戦争で当時無敵のロシアのバルチック艦隊を撃破し、
ホレイショー・ネルソンなどと並んで、世界的にその名の知られる提督です。


そしてその県立中央高校の正門の道路の向こう側にある、大山巌の誕生地の碑。

長く陸軍大臣を務め、海軍元帥の東郷平八郎と並んで「陸の大山、海の東郷」と評された大山巌ですが、
その大山巌と東郷平八郎、こんなにもご近所さんだったのですね…。
この二人の関係も、西郷隆盛と大久保利通のように何かドラマが作れそうですね。


そして維新ふるさと館の横に建つ、大久保利通生い立ちの地の碑。

甲突川を挟んだ高麗町は誕生の地ですが、その後にここに移り住んで育ったそうです。
ちなみにこの大久保利通生い立ちの地の碑と、西郷隆盛誕生の地の碑は、
維新ふるさと館を挟んでいますが、どちらも同じ大きさの石碑になっているんだとか。
確かに同じ形をしていますね。
他にも、近くには山本権兵衛、黒木為楨、篠原国幹など、数多くの偉人誕生地があります。
こんなにも狭い範囲の中に、首相や大臣などの経験者が集中している地域は、
確かに日本中探してもないでしょう。ものすごい英才の地ですね…。
幕末ファンはもちろん、世に何かを成したい人はこの地を踏んでその空気を吸うのもいいかもしれません。

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