愛媛県宇和島市の宇和島城を見て松山市へと帰る途中に、大洲市にある大洲城に行ってきましたよ。私がお城に興味を持ち始めた頃は大洲城天守は存在しなかったのですが、大洲市市制50周年事業として2004年に再建されました。新しいお城とは言え、珍しく築城当時の資料がかなり細部にわたり存在していたそうで、当時の面影を色濃く残すカッコイイお城に仕上がっています。ここまで復元するには、建築法に絡む折衝もかなり大変だっただろうと推測されます。
大洲城も平山城で、坂を登っていきます。もともとは砦のような小城だったそうですが、築城の天才と言われた藤堂高虎が入封してから、今のような大掛かりな城が出来上がったのだそうです。白壁の天守が多い中、熊本城や岡山城や松本城などのように黒い壁の天守というのはほんとカッコイイです。
大洲城にある中江藤樹の銅像。中江藤樹は江戸時代の陽明学者で、知行合一の生き方を広く知らしめた哲学者ということで近江聖人とも呼ばれています。近江に生まれ近江に根差した中江藤樹は、この大洲藩の地で若き日々を過ごしたのです。ちなみにこの銅像の傍には、「一忍七情皆中和」の書き出しで知られる中江藤樹の「百忍の詩」の碑も建っています。
大洲城天守の中には様々な資料がありますが、なかなかにクオリティの高い築城当時のジオラマが。でもよく見たら、猪に乗って坂を駆け下りている奴、川に人を蹴落としている奴、下に人がいるのに平気で丸太を落としている奴、その危険な状態を見て指差して爆笑してる奴など、ツッコミどころ満載の人間模様が繰り広げられています。やりたい放題だ…
大洲城天守の最上階からの眺め。肱川の流れがなかなかに美しいです。ちなみに大洲城は日本百名城の一つに数えられているのですが、愛媛県は今治城・湯築城・松山城・大洲城・宇和島城の5つが日本百名城に選ばれています。1つの都道府県から5つ以上の城が選ばれているのは長野県、兵庫県、愛媛県だけなので、愛媛県はかなりのお城王国とも言えます。
大洲城に登城するツアー一行。実はこの一行、先ほど言った宇和島城でも出会ったのです。地元の旅行会社の企画したツアーらしいのですが、宇和島城と大洲城の観光はセットで扱われることが多いみたいですね。でも思った以上によかったなー、大洲城。
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