厳島に行ってきた。(4)



厳島の意外な穴場スポット、宮島歴史民俗資料館。現在は、NHKで放映中の大河ドラマ『平清盛』に合わせて「平清盛館」が増設されています。実際に主演の松山ケンイチが身に付けた衣装や手にしていた宋剣、遊んでいた双六の盤と駒、加藤あいが劇中でまとっていた衣装など、同作のファンにはたまらない内容。松山ケンイチ扮する平清盛のパネルとの記念撮影コーナーや出演者十数人のサインもありました。なかなか楽しい。あのカッコいいテーマ曲もずっと流れています。


宮島歴史民俗資料館は旧江上家の町屋を活用し、家具や木工品などを展示してあって、民族文化に興味のない方は退屈してしまいがちで、美しい庭園へ抜けるともう出口が見えますが、実は出口に出る前に横に階上の展示館があり、そこには「厳島の戦い」などの資料がたくさんあります。「厳島の戦い」を「滝小路の戦い」や「駒ヶ林の戦い」など詳しいところまで紙芝居風にまとめている資料が見られるのは、日本でもここだけかと。


『平清盛』が放映されている今だからこそ行っておきたいのが、この「清盛神社」。平清盛は厳島神社を支援したことで知られていますが、この清盛神社はその平清盛を祭神としている神社なのです。厳島神社を抜けて少し御手洗川に沿って行くとあるのですが、その存在をほとんどの人が気が付いていません。


清盛神社からさらに西へ行くと大元公園があります。そのあたり一帯はかつて大元浦と呼ばれ、陶晴賢が大内軍の大軍勢の引き連れて厳島へと上陸した場所です。毛利元就軍の奇襲を受けた大内軍は敗れ、勇将弘中隆包は総大将の陶晴賢を逃がして滝小路で奮戦。陶晴賢はこの大元浦へと逃げ戻ってくるのですが、船は全て占拠されており、さらに西の大江浦へと落ちていったのです。写真はその大元浦。鹿の姿が物悲しいですな。先には本州本土が見えますが、対岸が目の前にありながら逃げられない陶晴賢の絶望感はとても大きかったと想像できます。

大江浦から厳島神社方面を望む。奥に見えている稜線あたりが、向こう側から毛利軍が越えてきて奇襲を行なった博奕尾。陶晴賢は歯噛みしてこの景色を見ながら、島の西へと敗走していったことでしょう。

宮島名物というと、あなごめし!最も有名なあなごめしの店というと、宮島口の「うえの」を挙げる方が多く、いつも満席というほどの人気店ですが、個人的に好きなのが「ふじたや」。大聖院と厳島神社宝物館を結ぶ路地の中にあります。メニューはこの2,300円のあなごめし一つだけ。久しぶりに行きましたが、いやあ絶品なり!


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