[ポルトガル篇] マルヴァンに行ってきた。(1)


首都リスボン(Lisboa)から出発したポルトガル旅行の前半は、ポルト(Porto)やコインブラ(Coimbra)など大西洋のある西側を縦断していたのですが、トマール(Tomar)からは東へと向かい、ポルトガル中南部のアレンテージョ地方(Alentejo)へと突入しました。

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大海や大河が印象的な風景が多かったポルトガルの各都市ですが、どんどん山地になっていきます。そして、隣国スペインの国境まであと数kmぐらいという所まで来ると、小高い山嶺にちらちらと集落のようなものが見えてきました。

最初の目的地は、マルヴァン(Marvao)という小さな村。サン・マメデ山脈の中の標高865mの山の上に築かれた城塞の中で発展した集落です。

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トマールから約1時間半、マルヴァンの村に到着。うわっ、入口の城門からしてカッコイイ!

車でこのギリッギリの狭さの城門の中に入っていけるのですが、この城門の外側や一段下に広めの無料駐車場が広がっているため、今回は城外に車を止めて徒歩で城内に行くことに。

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そして城門をくぐると、城壁の上からは広大な景色が広がります。これはすごい! 「天空の城」とか「天空の村」といった表現がしっくりくるような景色です。あの地平線のあたりは恐らくもうスペイン国土です。

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城壁のあちこちにはこのように大砲跡も。この地はローマ帝国時代にもイベリア半島統治の重要な戦略拠点となっていたようで、9世紀にこの地を守っていたイブン・マルアンというムーア人の王の名前から、マルヴァン(Marvao)という地名がついたのだとか。

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ポルトガルの城跡はどこも城壁に沿って歩けるのが特徴ですが、ここもふと見上げるとずっと城壁に沿って上がっていけるようになっています。長いイベリアの戦いの歴史の中で難攻不落を誇ったマルヴァオン城ですが、これはかなり見どころがギッシリな期待感があります。

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城内の集落は人口百数十人という小さな集落。車1台がやっと通れるような小さな路地が張り巡らされています。この坂道を歩いて上がっていきます。

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城壁側を見ると、足元は岩場がむき出し。このマルヴァンは岩山の上にそのまま城塞を築いているんですね。後世の城は城内をきっちり整備しがちですが、ここはもう起伏の激しい場所にそのまま人間が住み着いたという感じ。村の中も岩肌がそのまま出ている場所が散見されます。

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村の中はとてもひっそりとしており、本当に丸ごとテーマパークとして作ったんじゃないかというような、すごく不思議な感じ。

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入口から坂を上ってカステロ通りに入ると、開けた庭園に出てきました。MARVAOの字の形をした植え込みが綺麗。この日はそこそこ気温も高かったので噴水が気持ちがいいです。そして、この庭園の北側に現れるのが……


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