リスボンのベレン地区から車で約40分、シントラの街にやってきました。街全体が「シントラの文化的景観」としてユネスコの世界遺産に登録されています。シントラの中心部からさらに山奥へと車を進めていくと、山道なのにズラリと路上駐車ができる地域があり、ペーナ宮殿の入口がありました。路上駐車をさせてもらって入ってみると、広大な庭園が広がっています。
ペーナ宮殿は山の上にあるので、迷路のような広大な庭園を歩いていかなければなりません。ただ、その庭園がどこを撮っても絵になるような美しさで、気持ち良く散策できます。この時は気温も20度前後くらいでとても気持ちよかったです。
そして丘陵の頂上に来るとバーンと広がる、田舎のラブホテルを大きくしたようなカラフルな建物。これが国内外に有名な文化財である、ペーナ宮殿です。ド派手というか、でもちょっと地味というか。
ポルトガル女王マリア2世と結婚して共同支配者となったフェルナンド2世が、1836年に建てられた宮殿。もともとペーナ修道院があったものの1755年のリスボン大地震によって廃墟と化し、その地に立ったフェルナンド2世が気に入って離宮を建てたのです。
イギリスやドイツの豪華宮殿を真似してみたら中国のテーマパークみたいになっちゃったという非常にテキトーな感じがまたポルトガルらしいです。(この後、この「テキトー」というキーワードはポルトガル旅行中に何度も出てきます)
やっぱり、ぱっと見て何様式かと聞かれたら、部分部分ではバロック様式だ、ロマン主義だ、マヌエル様式だ、イスラム様式だなどと言えるんですけど、全体としてはもうポルトガル風のテキトー様式としか答えられないこの独特な感じ。でもそれがポルトガルらしくていい。
でも結構、「子供っぽいメルヘンチック」という感じで、子供とかは素直に喜びそうですよね。
いいでしょ、この独特な感じ。
ペーナ宮殿からシントラの街を見下ろした風景。右の手前のほうに少し、万里の長城のような白い石の壁が山の嶺に沿って連なっているのが分かりますか? 今から、あそこを目指しますよ。実はペーナ宮殿は当初行く予定がなくて、シントラの目的地は、実はあそこだったのです。
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