心理戦という名のコメディ『清須会議』


三谷幸喜監督が豪華キャストで『清須会議』という映画を手がけるというニュースが話題になっていますが、その原作本である『清須会議』を読んでみることに。いやあ、面白い!
本能寺の変で織田信長が殺され、山崎の戦いで明智光秀が討たれた後に、織田家臣たちによって開かれた、いわゆる「清州会議」。
柴田勝家・丹羽長秀・羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)・池田恒興が信長死後の織田家の後継者を定めた話し合いです。
この結果、柴田勝家と羽柴秀吉は賤ヶ岳の戦いで争うことになり、豊臣秀吉の天下の世が来ます。
そんな清州会議までの5日間、諸将がモノローグ形式で語っていくという斬新な表現で描かれた今作。
天下を巡って諸将それぞれの思惑が交錯し、高度な心理戦のように見えて「けっこうみんなバカ」という面白さ。
信長の三男・織田信雄は内心もバカなのですが、プライドで空回りする柴田勝家、意外に冷めた議長役の丹羽長秀・欲望剥き出しの羽柴秀吉・キャスティングボード的役割に酔う池田恒興、ヒステリックなお市の方と、皆それぞれ小学生みたいな人間性にあふれています。
映画では柴田勝家を役所広司、池田恒興を佐藤浩市が演じるそうですが、それを思い浮かべながら読んでいると笑いが止まりませんでした。
今から映画化がとっても楽しみです!


『清須会議』(三谷幸喜氏著/幻冬舎)


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