厳島に行ってきた。(2)



国宝であり世界文化遺産でもある厳島神社に行ってきましたよ。厳島神社は平清盛が建てたから平安時代の建物、と思っている方が多いのですが、平清盛の援助によって現在の海上社殿が建てられたのであって、厳島神社自体の創建は593年と言われています。推古天皇とか聖徳太子の時代からの由緒なのです。そしてその後も、大内義隆、毛利元就、豊臣秀吉と、時の権力者の庇護と崇拝を受けてきました。


厳島神社の特徴は何といっても朱塗りの回廊。普段は海面の上にあるため、腐食が早いはずなのですが、様々な建築上の工夫で現在に至ります。例えばそれぞれの床板には少しずつ隙間が空いているのですが、これは台風などで海面が増水した時に、浮力を逃がすためなんですね。一円玉とか落とさないようにしましょう。ちなみにこの回廊に囲まれた海域は、毎年旧暦6月に行われる管絃祭で大盛り上がりを見せる、枡形。


本殿から見た、厳島神社のシンボル、海上の大鳥居。観光ガイドなどでは晴れ間の写真が多いので輝かしい朱色が鮮やかですが、この日は大雨なので、本州本土も妖雲が立ち込め神秘的な感じに。雨天の宮島も、絵になりますねえ。


厳島神社に行くと、みんな回廊を渡りながら大鳥居など海の方向に向けてカメラをパシャパシャ撮っていますが、実は厳島神社で写真を撮って絵になるのは、山手の裏側なのです。何とも風情のある写真が撮れます。欧米の観光客を見ると、やっぱり裏手側の写真をよく撮っているんですよね。日本的な絵がたくさん撮れるのでしょう。この石の水槽も何ともいい感じ。


これもまた社殿裏手の見所の一つ、反橋(そりばし)。国の重要文化財です。この橋は大名と言えども渡ることができず、勅使(京都の天皇からの使者)やって来た時のみ使用されていたと言われており、そのため別名を勅使橋とも言います。現在のものは毛利元就・隆元父子が再建したものだそうです。


この日は平日で、日本人観光客よりも外国人、とりわけ中国からの観光客が多かったです。中国でも厳島神社と原爆ドームを回る広島ツアーはたくさんあるんだそうです。外国人観光客は、なかなか日本人が撮らないような場所でも記念撮影しますから、見ていて面白いです。この観光客たちは、酒俵の前で記念撮影をしています。


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