日本医学史の隠れた偉人・緒方春朔


『ビジネス発想源』第2881回「崑山の玉」で取り上げたのは、江戸時代の筑前国秋月藩(=福岡県朝倉市)の藩医でもあった医学者・緒方春朔(おがたしゅんさく)。秋月藩でも大流行した天然痘を自ら研究開発した種痘法で抑え、全国各地の藩医が教えを乞いに殺到したという人物です。
現在は地球上で根絶されたとされる天然痘。ジェンナーが牛痘法を発見し、日本では緒方洪庵らがそれを広めたことが知られています。ところが、天然痘の種痘を実用化させた緒方春朔の偉業は、緒方洪庵らよりも50年以上前、ジェンナーよりも6年も早かったといいます。鎖国時代の日本において、これは驚異的な偉業です。
牛痘法の浸透でその名は隠れてしまい、いまや福岡県民でもその名を知る人はほとんどいませんが、地元朝倉市のウェブサイトでは緒方春朔の偉業が詳しく記されています。鎖国によって日本は世界に出遅れていたというのが通説ですが、日本でも世界に渡りあえるような独自の学問や文化の進化は多かったのではないでしょうか。


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