五稜郭に行ってきた。



一度は行ってみたいと思っていた五稜郭に行くことに。まずは五稜郭タワーに登ってその全容を見下ろします。わー、なんて美しい。四角形が基調の日本の数々の城郭に比べ、西洋式の星型要塞を取り入れた五稜郭は何とも異質の美しさ。何といっても五角形にあまり馴染みがないですからね…。時を忘れて、しばし見入ってしまいました。


五稜郭と言えば、新政府軍と旧幕府軍の最後の戦いとなった函館戦争の舞台で、明治維新を語るには外せない場所です。五稜郭タワーの展望階には、北海道入植から函館戦争後の様子をジオラマで分かりやすく説明しているのですが、その一つ一つがなんともクオリティ高い…。これは榎本武揚ら旧幕府軍首領の降伏出頭のシーンです。


五稜郭タワー1階には、函館に散った新選組副長、土方歳三の像があります。ちなみに、展望階にも座位の土方歳三の像があり、たくさんの観光客がカメラに収め、「逆光だから影しか写ってない!」とぼやいていました。この写真も逆光になってしまいましたが、決して夏木ゆたかではありません。


ということで、五稜郭に足を踏み入れることに。桜満開の季節には観光客がドッとあふれるそうですが、今はオフシーズンで閑散としていました。なおさらその静寂が、落ち着いて築城時を思い描く環境を作ってくれます。


五稜郭中央に復元された函館奉行所。当時は函館と下田から開国されたため、函館に奉行所を設置することが急務で、急遽この地に創建されました。ただ、無駄に楼閣を建てたので、函館戦争の時は新政府軍がこの楼閣を砲撃目標にしてドッカンドッカン打ち込んできたため、旧幕府軍は窮地に追い込まれたと言います。


星型を形づくる土塁を歩いています。西洋式要塞とは言っても、一昔前の欧州の建造学に基づいて作られたそうで、小銃時代に効力を発揮する作りなんですね。しかし新政府軍の大砲での攻城には全く威力が出ず、五稜郭は早々に開城されることになるのです。日本という国が生まれ変わったその瞬間の舞台を感じる気がして、感慨深いものがありました。

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