食通を唸らせるプロの味、『世界でいちばん小さな三つ星料理店』


本日の『ビジネス発想源』で取り上げた本は、
『ミシュランガイド東京版』が創刊してから三つ星を取り続けている日本料理店の名店、
銀座「小十」の奥田透店主の著作『世界でいちばん小さな三つ星料理店』です。
ミシュランで星を取った「小十」の奥田氏、「龍吟」の山本征治氏、「かんだ」の神田裕行氏は
みな徳島の名店・青柳の門下であることは食通の間でも有名な話ですが、
その中でも14席しかない「小十」が選ばれたのはなぜか、そこにあるプロ意識が分かります。
魚市場で働いた青春時代や青柳での下積み時代の話は淡々と読んでいましたが、
独立して地元静岡で成功して、銀座に打って出て自殺寸前まで経営が追い詰められ、
そして復活を果たしてミシュランに選ばれるまでの話は、
かなり心をドキドキさせながら読んでいました。後半は特に手に汗握る展開です。
また、「小十」の名の元となった陶芸家・西岡小十氏との邂逅のエピソードなどは、
突き詰めて勉強していく上で起こる出会いの妙を感じます。
人の出会いとプロ意識の素晴らしさが分かる一冊です。


『世界でいちばん小さな三つ星料理店』(奥田透氏著/ポプラ社)


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