反響絶大の衝撃のラスト『さよなら絶望先生』第三十集


6年以上に渡って『週刊少年マガジン』で連載されていた人気漫画『さよなら絶望先生』が今年6月に最終回を迎えましたが、その最終回の展開が壮絶すぎるということでネット上で大きな反響が沸き起こっていました。その最終回が載った最終巻は書店でも手に入りにくくなっており、既にプレミアが付き始めているとか。
実は『さよなら絶望先生』は15巻ほどまで買い揃えていたのに、そこからマガジンも単行本も読まなくなって、連載終了したことをこの時まで全く知らなかったのです。
で、その話題沸騰中で入手困難な『さよなら絶望先生』最終巻が偶然手に入ったので早速読んだのですが……いやあ、なんという過酷で深いラスト……。想像以上の展開で心が締め付けられてしまいました。
『さよなら絶望先生』は、何でもネガティブにしか考えられない高校教師・糸色望と、何でもポジティブに考えてしまう女子高生・風浦可符香が出会う所から始まる風刺的学園コメディ。アニメにもなりました。
一話完結型のギャグ漫画だったのに、最終回10話前あたりから次第に意味深な内容になっていき、最終回に向かうにしたがって実は第1話から壮大な伏線が張られていたことが判明していきます。最初からこの壮大な謎は決まっていたらしいです。そして感動的なラストページ。久米田先生はすごすぎる…。
最終巻を読んだ後に、もともと持っていた第一集を再び読み返してみると……。
・クラスの出席簿で「風浦可符香(P.N)」と可符香ちゃん一人だけペンネームなこと
・クラス全員が性格や特徴のもじった名前の中、可符香ちゃんの名前だけ文豪のカフカなこと。
・第1話の絶望先生の「……こいつ赤毛のアンかよ」というさりげない台詞
・第7話の可符香ちゃんがなぜか包帯を巻いていること
・第10話で日塔奈美の幼稚園時代の回想シーンに出てくる杏ちゃん
・カレンダーの暦が平成ではなく昭和で統一されていたこと
などなど、そして連載開始前の「予告編」の本編と全く関係のない「一人の生徒と3.1人の生徒たちが…」という話……、いろんなものが実は伏線として張られていたことが確認できます。すげー!
アニメのOPも実はその伏線が暗に表現されていたようですね。漫画でここまで戦慄に唸らされたのは、もしかしたら初めてかもしれないです。また最初から詳しく読み返したくなりました。


『さよなら絶望先生』第三十集(久米田康治/講談社)


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