甘い考えの志望者を叱咤するプロ論、『声優魂』


本日の『ビジネス発想源』で取り上げた本は、アニメ『ブラックジャック』の主役ブラックジャックやゲーム『メタルギアソリッド』のソリッド・スネークなど多くの当たり役を持つベテラン声優・大塚明夫氏の著作『声優魂』です。

今、声優を目指す若者がものすごく多くて、声優養成学校のような場所も乱立しているそうなのですが、大塚明夫氏は同書の中で「声優だけはやめておけ」と警鐘を鳴らしています。プロ意識のない若手が多いせいで「自分に仕事が途絶えない」という、その声優のプロフェッショナルとしての心構えを述べています。厳しい業界の中で生き残れるほんの一握りの人間は何を考え、何を意識しているのかがよく分かります。声優がいかに儲からないか、ということが具体的な数字などと共に紹介されているシビアな本です。

先日、「東京餃子会」で脚本家の小林雄次さんが同書を読んでいるのを見て、すごく気になってその場でAmazonで注文しました。とても面白い本で一気に読み進めてしまいました。

私はあまりアニメには詳しくないですが、大塚明夫氏といえば手塚治虫のブラックジャック、そして『戦国無双』シリーズの最強の武将・本多忠勝のイメージです。ねずみ男などで知られる父親、故・大塚周夫氏とはまた違った声色の魅力の持ち主ですが、それにしても声優の世界というのはものすごく過酷な、そして金銭的にもめちゃくちゃ厳しい世界なんですねえ。


『声優魂』(大塚明夫氏著/星海社新書)


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