受け継がれる名脇役の魂、『太秦ライムライト』


1月14日にNHK BSプレミアムで放送された映画『太秦ライムライト』を観ました。
感動です。今年初めての号泣でした。
50年以上5万回以上の「斬られ役」を演じ、『ラストサムライ』でハリウッドデビューも果たした、
名脇役の福本清三氏の、70歳にして初主演となる映画作品です。

時代劇が斜陽産業と化して仕事が無くなっていき、現代刑事モノの死体役や
テーマパークの辻演技などに追いやられていきひっそりと引退を決意することになる
京都の撮影所の老齢の大部屋俳優を、福本清三氏が演じています。
その老脇役が京都で殺陣を稽古してきた駆け出し女優が上京してスター女優となっていき、
彼女の主演作の大型時代劇が制作されることになって、
師弟での殺陣対決の幕が開く……というお話。
単純に、消えゆく時代劇と共に消えゆく名もなき俳優の悲哀を描くのではなく、
チャップリンの名作『ライムライト』を題材に、
若い者たちに熱い魂を託していき、時代劇の輝かしい未来を暗示する勇気の出る話でした。
若い俳優たちに「これから、若いもんで作ってや。ええ時代劇を」と伝えているシーン、
そして最愛の弟子に、何を語るでもなく華々しく斬られていくラストシーン。
マジで泣きました。マジ号泣。
こんないい映画、いつ上映されてたんだろ……と気になっていたら、
上映は今年の夏で、テレビ編集版のほうが先に1月に放送されたのだとか。
映画版、ものすごく気になるので観たいな。
以前に『ビジネス発想源』で、福本清三氏の著作『どこかで誰かが見ていてくれる』を
取り上げましたが、これもまたとっても名著だと思っています。
「脇役は、空港のバス」などの名言が多く、主役を輝かせる役回りの大切さが分かります。

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