徹底的な引き算思考が生み出す価値、『抜く技術』


今日の『ビジネス発想源』で取り上げた本は、海洋温度差発電の世界的権威であり、ウエハラサイクルの開発者でもある元佐賀大学学長の上原春男氏の著作『「抜く」技術』。

原発事故や原油価格高騰などにより原子力発電や火力発電の限界説が叫ばれる中、リサイクル効率も非常に高い海洋温度差発電が大きく着目されています。上原春男氏は多くの企業のアドバイザーも務められた人物で、企業の事業展開や新商品開発でもいかに「抜く」「引く」発想が重要かが同書で述べられています。

ウエハラサイクルによる海洋温度差発電も究極的な「抜く」「引く」発想で作られた発電システムであり、当初はほとんどの研究者や役所から冷ややかな目で見られ、その重要性を理解して予算をつけてくれた担当者も通商産業省時代の堺屋太一氏だけだったとか。それでも地球の未来に必要になるという信念で研究され続けた発電システムの話は、企業の開発や企画にも通じるヒントがたくさん見つかります。


『「抜く」技術』(上原春男氏著/サンマーク出版)


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