本物を残し本物を創る精神、『左官挾土秀平の生きる力』


本日の『ビジネス発想源』で取り上げた本は、飛騨高山を拠点に国内外の数多くの作品を手がけ、首相官邸やザ・ペニンシュラ東京など多くの建造物の壁にその技術を残した左官職人・挾土秀平氏の著作『左官挾土秀平の生きる力』です。ここのところ何度も読み返した一冊。

今、日本からどんどん職人が減ってどんどん本物の土壁が減り、古い町並みが残る飛騨高山であってもニセモノの建造物にあふれ始めていることに警鐘を鳴らしている一冊。昨今のインバウンド戦略ブームに乗っかる人は、観光戦略の専門家を名乗る人の理論よりも、こういう話を真剣に考えた方が絶対にいいと思ったり。

左官の仕事について調べ物をしている時に知った本で、実はNHKの「プロフェッショナル」をあまり見たことがなかったので本を読むまで著者の仕事を知らなかったのですが、読み終わって数週間後に『SWITCHインタビュー 人達』という番組で俳優・ダンサーの田中泯と対談しているのを見て、タイムリーすぎて何度も繰り返し観てしまいました。来年の大河ドラマ『真田丸』の題字は、いつもは書家が起用されるのに、今回は挾土氏が書かれるんですね。その様子も番組で観ましたが、すごい。


『左官 挟土秀平の生きる力 (ソリストの思考術 第三巻)』(挾土秀平氏著/六耀社)


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