タイムリーな瀕死状態の家電メーカーの実状、『メイド・イン・ジャパン』


あちこちで話題になっていた、NHKのテレビ60周年記念ドラマ『メイド・イン・ジャパン』を観ました。
取材に2年を費やし、1000人以上の業界関係者にヒヤリングしたという同作。
ソニーやシャープやパナソニックが苦境に立つ今、まさにタイムリーな内容となりました。
余命3ヶ月の倒産寸前の巨大家電メーカーで、再建戦略を任された営業部長(=唐沢寿明)が、
かつて開発を打ち切った技術を中国の新興自動車会社に流用されていることに目をつけ、
中国へ飛んだところ、その自動車会社にはその当時の開発部にいた同期の技術者(=高橋克実)の姿が。
メイド・イン・ジャパンの技術の有り方を巡って、両社の対決が始まる……、という話。

さすが『ハゲタカ』や『監査法人』など面白い作品を産んできたNHKの土曜ドラマ枠、
『メイド・イン・ジャパン』も個人的にはかなり面白かったのですが、
全3回という短さのわりには、親子の復讐とか夫婦の愛情なんかまで無理に盛り込んでしまって、
肝心の「メイド・イン・ジャパンとは?」という命題が薄れていた感じかなあ…。
かなり壮大な中国ロケも行なっていたので、日本と中国の技術対決のような盛り上がりがあるかと思ったら、
なんかこう単なる個人のわだかまりみたいな話になっちゃってました。
最後は、唐沢寿明と高橋克実の2人がそれぞれの大企業を去り、
「もう一度新たなメイド・イン・ジャパンを作ろう」と2人で小さな町工場を創業する、
みたいな展開を期待していたので、ちょっと結末があっさりすぎて残念でした。
でも、こういう経済ドラマはやっぱりNHKの強みですね。
日本のものづくり、日本の技術の魅力に迫るドラマを、今後もどんどん作っていってもらいたいです。

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